今井雄一郎『狩猟日記』現代のマタギも現実的

今井雄一郎『狩猟日記』現代のマタギも現実的

マタギに関する本を読んでいて、現代版の狩猟人の内側を知りたくて手に取った。

読んでいたのは武藤鉄城『マタギ聞き書き その狩猟民俗と怪異譚』だったが、そこにはタイトルの持つ幻想的な物語も観念性もない実にリアルに現実と向き合う心性だった。そのことが印象にに残っていて、柳田国男の『遠野物語』に見るような怪異も怪奇もない実にきだみのる的世界であり深沢七郎的だったのが面白い。

そのことは本書においても、つながっていて生き物を殺すことについて抵抗感はなく、むしろしっかりいただきますというシビエ料理などを掲載していて、動物愛好家など心を乱しそうなところだが、そんあやわなものはない。

すぐに命を大切にといって、肉料理を食らう人の気がしれないという現実にであってしまう。

宮沢賢治は菜食主義を実践していたけれど、その心性は宗教意識からきているから「フランドン農学校の豚」のような感情移入になるが、それらはやっぱり自我意識の震えであり高度化だったのだろう。

生活者としてのリアルはやはりすっくとして立つ人としてのリアルである。

今井氏はその点やはり常識人なのだ。

マタギに現在しかなかったように、現在の狩猟人も現在だけなのだろう。想念の世界とは遠くへだたっている。

また、ユーチュブにこんなのがあった。

「奥羽山系マタギの世界」NHK特集

https://www.youtube.com/watch?v=k86HTtgTjYs

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