中村浩康『なるべく単純化した市場の姿』現場で活躍してきた方の市場論

中村浩康『なるべく単純化した市場の姿』現場で活躍してきた方の市場論

ひょんなことから知った市場現場30年のトレーダーの実感的市場論。

きわめて面白かった。研究者でもなく、学者でもないウチの人の市場論だけれども断片的な観想ではなく、理論化、概念化を目指しているという点にこれからも期待できる。

理論化の過程で、マーク・ブキャナンを引き合いに出しているが、あまりその必要はなかったのではないかというのが正直なところだ。物理法則なんていうとあまりに信頼性がありすぎて、論理の裏図けとしてはベストマッチに思われるかもしれないが、その分胡散臭く思われるかもしれない。社会科学の分野での真実は疑似科学モデルを使うもので、科学ではなく科学的なのだから、たとえとしてはあまりよくない。クリスティバの社会学のように数学を多用してもなんら関係なかったということもあるので、一種の意匠になってしまだろう。文学作品としては推理小説のようで面白いが、現実を論じるには向いていないと思われる。

では、ひるがえってこのデイスクールを何かに使えるかと考えていて、いかにして共同幻想はたちあがってくるのかを記述してみてはどうかと思いついた。中村氏による個と集団の関係だが、わたしならこうみるという試みだ。

出来上がったら発表してみよう。

ちなみに、小さな冊子だが扱いやすくて手になじむ書籍に仕上がっている。

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